
海外留学を検討するとき、多くの方がまず気にするのが治安です。
初めて暮らす国で安心して生活できるかどうかは、留学生活の充実度を大きく左右します。では、アイルランドの治安は実際のところどうなのでしょうか。
このページでは、アイルランドの治安について詳しく解説しています。
世界にはさまざまな国の治安状況を比較できるランキングがありますが、まずはそこからアイルランドの治安レベルを確認してみます。また、なぜアイルランドが安全とされているのか、政治や経済の安定、国民性などの要因からその理由を探ります。
さらに、外務省が公表している最新の渡航情報にも目を通し、客観的な評価を確認することも大切です。留学生の多くが生活拠点とする首都ダブリンの治安についても詳しく見ながら、アイルランドが本当に安心して留学できる国なのかを、多角的に紹介していきます。
アイルランドの治安を世界ランキングでチェック

アイルランドの治安レベルを客観的に把握するために有効なのが、世界的な治安指標「Global Peace Index(グローバル・ピース・インデックス)」です。これは、経済平和研究所(Institute for Economics & Peace)が毎年発表しているランキングで、世界163の国と地域を対象に治安状況を数値化したものです。
この指数は以下の3つの主要な観点から国ごとの平和度を評価しています。
- 社会的安全と安心のレベル
- 国内および国際的な紛争の影響
- 軍事化の度合い
アイルランドはこのGlobal Peace Indexにおいて、長年にわたり上位を維持しており、2024年の最新版では世界第2位にランクインしています。
これは、日常生活における犯罪の少なさ、政治的安定、国際的な対立への関与の少なさ、軍備への依存の低さなど、さまざまな要素が高く評価された結果です。
このような国際的なランキングからも、アイルランドは治安面で非常に優れた環境にあることがわかります。留学先を選ぶうえで、数字と客観的データに裏付けられたこの実績は、安心材料の一つと言えるでしょう。
アイルランドの治安がいい理由とは?

アイルランドが高い治安レベルを保っているのは偶然ではありません。その背景には、社会の安定や人々の気質といった要素が深く関係しています。
ここでは、アイルランドの治安の良さを支える主な2つの理由を紹介します。
政治・経済の安定
アイルランドの治安が良い理由、1つ目は政治・経済の安定です。
政治面では、民主的な制度がしっかりと機能しており、政権交代も平和的に行われるため、社会的混乱や暴力的な抗議活動がほとんど見られません。また、近隣諸国との関係も安定しており、国際紛争に巻き込まれるリスクが極めて低いことも、国内の安全環境の安定に寄与しています。
経済面を見ると、高い生活水準と安定した雇用環境が整っており、社会保障制度も充実しています。これにより、経済格差や生活困窮が原因となる犯罪の発生リスクが相対的に低く抑えられています。特に若年層を含む幅広い層に対して教育機会が確保されており、教育制度の充実は犯罪抑制にもつながっています。
このように、政治の安定、平和外交、経済的な余裕、そして教育水準の高さといった複合的な要素が、アイルランドの治安の良さを根本から支えています。
親切な国民性
2つ目の理由は、アイルランド人の親切な国民性です。
アイルランド人は、一般的に温かく親しみやすい性格として知られており、海外からの観光客や留学生に対しても非常に友好的に接してくれます。このような人々の姿勢は、社会全体の安心感や信頼感につながり、トラブルの少ない穏やかな環境を形成する土台となっています。
また、アイルランド社会には地域のつながりが強く、コミュニティ意識が非常に高いという特徴があります。近隣同士の支え合いや見守りの文化が根付いており、これが犯罪の未然防止や早期発見に大きく寄与しています。こうした社会的な絆が、犯罪行為に対する抑止力となっているのです。
このように、アイルランド人の親切な国民性と地域社会の強いつながりは、犯罪の発生を抑え、安全な暮らしを支える大きな力となっています。
アイルランドの治安に関する外務省の見解

アイルランドの治安は良いものの、日本の外務省は渡航にあたり、いくつかの注意点があるとしています。
アイルランドは留学や観光に適した比較的安全な国とされる一方で、特定の地域や犯罪の種類によっては注意が必要であるとしており、2023年、アイルランドの犯罪発生件数は約19万5千件で、前年比8.3%増加、特に窃盗の増加が顕著となっています。また、人口10万人あたりの窃盗発生率は約1,437件と、日本の約3.5倍にのぼります。
外務省は、都市部でのスリや置き引き、青少年グループによる暴力行為、SNSを悪用した詐欺などを警戒すべきリスクとして挙げています。これらに対処するため、夜間の単独行動の回避や、貴重品の管理、最新の安全情報の確認が推奨されています。
このように、アイルランドの治安は良好であるものの、日本とは異なる犯罪傾向が見られるため、外務省が発信する具体的な対策に基づいて行動することが、安全な滞在につながります。
首都ダブリンでも治安は良い?

アイルランド留学で高い人気を誇る首都、ダブリン。そのダブリンは治安面について不安はないのでしょうか?
ダブリンにある学校を選ぶ場合の注意点を紹介します。
軽犯罪(スリ・盗難)が増加傾向にあるので注意が必要
首都ダブリンはアイルランドの経済・文化の中心地であり、多くの留学生や観光客が集まる都市ですが、その反面、軽犯罪のリスクも高まっています。
特に注意すべきなのが、オコンネルストリート、グラフトンストリート、テンプルバー周辺です。
これらのエリアは窃盗多発地帯であり、実際にスリや置き引きが多発しています。
2023年には、日本人旅行者3名がスリなどの被害に遭い、現地で被害届を提出しています。特に多いのが、複数人による「分散注意作戦」と呼ばれる犯行手口です。
これは、一人が話しかけて注意を引きつけている間に、別の人物がかばんやポケットの中から貴重品を抜き取るというものです。こうした犯行は非常に巧妙で、一瞬の隙を突かれるため、誰にでも被害に遭うリスクがあります。
被害を防ぐためには、繁華街ではかばんを前に持つ、スマートフォンを見ながら歩かない、人混みでは貴重品の管理を徹底するといった基本的な防犯意識が重要です。
首都ダブリンをはじめ、アイルランド留学中に安心して過ごすためにも、こうした軽犯罪のリスクを理解し、日常的に注意を払うことが求められます。
【結論】アイルランドは治安が良く安心して留学できる国です
アイルランドの治安は、英語圏の中でも非常に高い水準にあり、留学先として安心して渡航できる国です。
国際的な平和度指数では2024年に世界第2位を記録しており、政治の安定や国際紛争への関与の少なさ、地域社会の結束力がその安全性を支えています。また、アイルランド人の親切な国民性も、暮らしやすさを感じられる大きな要素です。
ただし、日本の外務省は一部地域でのスリや窃盗、若者による軽犯罪の増加を指摘しており、特に首都ダブリンの繁華街では注意が必要です。基本的な防犯意識を持ち、外務省の安全情報を事前に確認しておくことで、トラブルを避けながら安全に生活できます。
アイルランドでの留学生活をより安心で実りあるものにするために、治安情報をしっかり把握し、準備を整えることが大切です。次は、地域別の特徴や学校情報もチェックして、理想の留学プランを具体化させていきましょう。
この記事を書いた人

- 雄大な自然や歴史的な建造物が残るアイルランドに魅了されたスタッフがその素晴らしさを紹介するため運営しているアイルランド留学シャムロック。より多くの人にアイルランド留学をしてもらうため、留学業界10年以上のエキスパートがアイルランドの最新情報をお届けしています。語学留学だけでなく、大学進学や高校留学まで最適なアイルランド留学を提案いたします。
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