ビザ(査証)とは、外国へ入国する際の入国許可証であり、自国を離れて海外の国に入国する際、入国管理官に提示するものです。

日本は、海外の多くの国とビザなし、無査証でも指定期間なら入国できる規約を結んでいるため、短期間の海外旅行で出発前にビザ申請をする必要がないことが多いです。

アイルランド留学をする場合も、やはり短期間ならビザ申請は必要ありません。

ただ、どのくらいの期間までならビザ申請をしなくて良いのか、またビザ申請が必要なケースとはどのようなものなのか。

さらに、日本とアイルランドの間には、海外で働きながら滞在できるワーキングホリデービザ、いわゆるワーホリも存在します。

このページでは、アイルランドに日本人が入国する際のビザについて詳しく解説します。

長期留学でも、日本出発前の申請が不要、他の国とは違うアイルランドならではのビザ情報を確認しましょう。

アイルランドのビザとは

外国人がアイルランドに入国するには、それぞれの母国とアイルランドがどのような協定を結んでいるかによります。

治安が良く、何より優しいアイルランド人が暮らす国で、英語や希望する学問を勉強するための「就学」や就職のための「就労」、さらにアイルランドに住み続ける「永住」を目的とし、入国を希望する外国人は増え続けています。

それぞれ、アイルランドへの入国、滞在には以下の種類のビザが用意されています。

アイルランドへの入国および滞在を目的としたビザの種類

  • 学生ビザ:英語の勉強だけでなく、現地校(高校やカレッジ、大学など)で学びたい学生のためのビザ
  • 就労ビザ:アイルランドが指定する職種に該当し、アイルランド国内の企業に採用されており、就労するためのビザ
  • ディファクト(De Facto)ビザ:アイルランドまたはEU国籍者と付き合っている人のためのビザ(婚約者ビザとも呼ばれる)
  • 永住権:アイルランド国内に5年以上、合法的に滞在している人が申請できるアイルランド永住のためのビザ

アイルランドに日本人が入国するのにビザは必要?

日本人がアイルランドに入国する際、ビザの提示は必要なのでしょうか?

日本とアイルランドの国家間には、査証免除の決まりがあることから、日本人は90日以内ならビザを申請しなくてもアイルランドに入国、滞在できます。

ただし、パスポートの残存期間が「アイルランド留学予定期間+6ヶ月以上」必要です。もし、期間が不足している場合は早めにパスポートの更新をしておきましょう。

無査証でアイルランドに入国する場合、目的が「観光」や「出張」である場合に限られているため、入国審査時にはっきりと伝える必要があります。

90日以下のアイルランド留学の場合も、参加する学校が発行する入学許可証(Letter of Acceptance)を用意し、入国管理官に90日以下の語学留学であることを伝えます。

もし、長期語学留学やワーキングホリデー(ワーホリ)ビザでの入国なら、それぞれ申請に必要な書類をファイルにまとめ、提示します。

アイルランド留学に必要な学生ビザの特徴

それでは、アイルランドに91日以上の長期留学したい場合に必要となる学生ビザはどのようなものなのか、その特徴について解説します。

アイルランドに長期留学する場合の学生ビザは事前申請が不要

91日以上の長期間、アイルランドへの語学留学や現地高校、カレッジや大学などに通う進学留学には、学生ビザが必要です。

多くの国では、日本を出発する前に各国の大使館や嘱託を受けた機関を通じ、学生ビザの申請を行う必要があります。

しかし、アイルランド留学の場合は、日本出国前に必要書類を用意し、ビザ申請はアイルランド入国後に行います。

これは、言い方を変えると「ビザ申請に必要な書類さえ準備できていれば、日本を出発し、アイルランドに入国できる」ということです。

ビザ審査の厳しい北米や英国などの場合、学生ビザが発給されていなければ出国できないことを考えると、こうした現地渡航後の学生ビザ申請手続きで済むという点は、アイルランド長期留学のメリットと言えます。

学生ビザの期限と更新回数について

アイルランドの学生ビザの有効期限は最長で8か月となっています。

語学学校で25週間の英語プログラムに参加すると、2ヶ月(8週間から10週間)のバカンスを取得することが可能となっており、合計期間が8か月となります。

アイルランドの学生ビザは、更新することで滞在期間を延長することが可能となっており、語学留学の場合は最大2回まで延長手続きが可能です(最長24カ月間の滞在が可能)。

25週間のプログラムに参加する場合、プログラム終了前に英語能力テスト(Exit Exam)を受験する必要があります。プログラム申込時に各学校がこの試験費用も含めた請求書を作成します。

なお、高校留学やカレッジ、大学での学位取得プログラムについては、参加する期間分の滞在許可が出るので更新手続きは必要ありません。

25週間以上の学生ビザを取得するとアルバイトができる

アイルランドの学生ビザには、留学生にとって嬉しいメリットがあります。それは、「25週間以上の英語プログラム参加ならアルバイトができる」ことです。

アメリカやカナダ、イギリスに英語を学ぶための語学留学に参加し、学生ビザを取得してもアルバイトは禁止されています(カレッジや大学での学位取得コースに参加する場合、条件付きでアルバイトが認められています)。

アイルランド留学は費用がリーズナブルなだけでなく、英語を学ぶ語学留学でもアルバイトが可能なため、留学中の生活費を稼ぐことができます。

学生ビザを取得したら、1週間あたり20時間までのアルバイトが認められており、さらにホリデー期間(夏季6月1日から9月30日、冬季12月1日から1月15日まで)は週40時間までアルバイトをすることが可能です。

ただし、13週間以上24週間以下のプログラム参加の場合、就学のためのビザは発給されますが、アルバイト(就労)許可は出ないので注意しましょう。

アイルランド入国後の学生ビザ申請手続き

それでは、具体的にアイルランドの学生ビザに必要な書類および申請方法を紹介します。

日本出発前に用意する学生ビザ申請に必要な書類

  1. 入学許可証(Letter of Acceptance):最低でも週15時間以上のプログラムへの申込が必要、学校が発行
  2. プログラム参加許可書:受講するプログラムに参加する英語力を認める書面、学校が発行
  3. プログラム参加費用支払い証明書:プログラムの参加費用を支払ったことを証明する書面、学校が発行
  4. 学習保護保険証明書:Protection of English Learners(PEL)と呼ばれる就学者を保護するための保険への加入証明書、基本的に学校が発行(13週間から24週間の場合は不要)
  5. 滞在先情報:アイルランド入国後の滞在先に関する住所などの情報、学校に滞在先手配を依頼していれば学校が発行
  6. パスポート(旅券):アイルランド留学予定期間+12ヶ月以上の残存期間が残っていること
  7. 資金証明書:本人名義の金融機関(銀行など)の口座にコースの期間が8か月未満の場合、滞在期間に合わせて月あたり@833ユーロ、または6,665ユーロのいずれか少ない方の金額以上があることを証明する英文残高証明書(ユーロ建てのもの)、1ヶ月以内に発行したものと6ヶ月前から1ヶ月より前に発行したもの(先の1ヶ月以内に発行したものとは1ヶ月以上の日にちを開けて発行すること)が一部ずつ、合計2枚必要(渡航後、アイルランド国内に口座を作れば1部で可)
  8. 英文入出金明細書:過去6ヶ月、上記の金融口座における入出金の記録を英文で記録したもの(入国管理局に求められた場合のみ)
  9. 海外留学保険に加入していることを証明する書面:海外留学保険に加入した後に発行される英文付保証明書(保険内容を英文で記した書面)

上記、1~5については申込をした学校が発行、6~8については本人が手配する必要があります。

基本フローとして、参加するプログラムを選んで申込を行うと、学校は入学に関する書類および参加費用に関する請求書を発行します。

申込内容と金額を確認した後、現地へ海外送金を行い、手続きが完了したことを学校に伝えると、入学許可証やプログラム参加許可書およびプログラム参加費用支払い証明書(領収書)を発行します。

滞在先情報に関する書面について

アイルランド留学に限らず、海外で留学生を受け入れる学校の多くは滞在先(ホームステイや学生寮など)を用意しており、これらの手続きも依頼すると滞在先情報に関する書面も合わせて発行します。

近年、インターネットを利用し、AirBnBなどの情報から学校手配の滞在先ではなく、ご自身で滞在先を手配する方もいらっしゃいますが、その場合、滞在先情報に関する書類を別途、ご自身で用意していただかなければならないことをご留意ください。

英文残高証明書について

ご自身の名義で作成している金融機関(銀行など)に、発行依頼をかけると英文残高証明書を作成してもらうことができます。

必ずユーロでいくらになるかを記載してもらうようにしてください。

また、金融機関ごとに発行までの期間にばらつきがあります。1週間程度は発行までにかかるものとして、ご出発の1ヶ月前を目途にお手元にご用意ください。

アイルランドへの長期留学中、現地でお金を下すのに便利なWISEを利用すると、英文残高証明書をスムーズに発行できます。アイルランド留学中のお金の引き出しやWISEについては、アイルランドのお金やクレジットカードに関する情報ページで詳しく解説していますので、ぜひ、ご一読ください。

現地到着後のお手続き

日本からアイルランドに向けて出発する際は、上記書類をクリアファイルなどにまとめ、機内持ち込み手荷物に入れておきます(くれぐれもスーツケースに入れないように注意してください、入国審査時に提示します!)。

無事、アイルランド国内の空港に到着したら、入国管理官に学校に通うためにアイルランドに来ていることを伝え、書類を提示します。

滞在先に到着したら、ビザ申請(正しくは外国人登録)のため、入国管理局(Garda National Immigration Bureau、GNIB)での手続きの予約を行う必要があります。ちなみにGardaはアイルランド警察の呼称です。

アイルランド到着後の外国人登録(Irish Residence Permit、IRP)の流れ

  1. 入国管理局Webサイト(リンクします)でアカウントを作成、名前やパスポート番号などを入力し、電話番号認証を行う
  2. 指定した電話番号に届くリンクからアプリをダウンロードしてパスポートの写真ページおよび本人の写真を撮影し、本人確認を行う
  3. 再度、入国管理局Webサイトにアクセスし、「First Time Resitration」から日時を決めて予約する
  4. 予約日時にあらかじめ用意しておいた書類を持ち、入国管理局でIRP登録を行う
  5. 登録手続きから約2週間ほどで、登録した住所にIRPカードが郵送される

なお、予約時にSelect your permissionという項目でStampの種類を選ぶ必要があります。

プログラムに参加する期間が13週間から24週間までの場合、Stampの種類はStamp 2A(就学可、就労不可)を選択します。

参加期間が25週間から35週間の場合、Stamp2(就学および就労可)を選択します。

くれぐれもStampの種類を間違えないようにご注意ください。

なお、IRP登録には登録費として300ユーロが必要です。クレジットカード(VISAまたはMastercard、JCB不可)をご用意ください。

入国管理局(GNIB)の場所について

外国人登録を行う入国管理局は、以下のダブリン中心部にあります。

オープン時間:月曜日から木曜日は午前8時から午後9時、金曜日は午前8時から午後6時まで

DARTやLuasの駅にも近いので、非常にアクセスの良い場所にあります。滞在先からのアクセス方法をあらかじめチェックし、予約時刻に遅れないように到着しましょう。

アイルランドのワーホリビザと学生ビザの違いについて

アイルランド留学にはもう1つ、ワーキングホリデー(ワーホリ)ビザを取得してと渡航する方法があります。

アイルランドでのワーホリ留学の特徴や申請方法については別ページで詳しく解説しています。ここでは、学生ビザとワーホリビザの違いについて解説します。

学生ビザおよびワーホリビザ比較表

種類 学生ビザ ワーホリビザ
申請 アイルランド入国後に現地で申請 日本国内で申請(年2回、上限数があり抽選形式)
主な目的 英語力や学位などの取得 英語力およびアイルランドでの生活体験、就労経験
有効期間 語学学校は8ヶ月(最長24ヶ月)
学位プログラムは修了までの期間
最長1年間
年齢 制限なし 18歳以上30歳以下
就学 参加するプログラム期間、就学可能 滞在中に学校に通うことも可能(最長1年)
滞在先  学校がサポート 学校に通わない場合、自己手配
休暇 ルールに基づく申請が必要 自由に過ごせる
就労 25週間以上でなければアルバイト不可 滞在期間中の就労が認められている
就労時間 基本は週20時間まで、ホリデー期間中は週40時間まで 週39時間まで
切替 学生ビザからワーホリビザへの切り替えは不可(ワーホリビザは日本での申請となるため 可能(学生ビザに必要な書類を揃え、イギリス以外へ出国し、再入国時後に手続きを行う)

学位取得などが目的の場合は、学生ビザに限定されますが、英語を学びながらアイルランドでのアルバイト経験を積みたい場合、ワーホリビザとどちらを選ぶべきなのでしょうか。

もし、正しい英語ではなくても、積極的に英語で話すことができるのであれば、ワーホリビザを申請・取得し、海外で暮らしながら英語力を磨きつつ、就労経験を積んでも良いと思います。

英語が苦手で話すことが難しい場合はワーホリではなく、学生ビザでアイルランド留学に参加し、英語力を身に付けながらアイルランド国内にコネを作り、一度日本に帰国してからワーホリビザで再度、入国すると良いでしょう。

ワーホリビザは年齢制限の他に、一度しか取得はできません。せっかく1年間もアイルランドで自由に働きながら過ごせるワーホリビザを有効に活用するためにも、学生ビザとどちらを選ぶべきか、じっくり考慮した上でどちらを選ぶかお決めいただくことをおすすめします。

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アイルランド留学シャムロックは、ご相談やカウンセリング、お見積りや学校手配、さらに学生ビザに必要な書類準備やご渡航後のサポートまで完全無料、さらに最低価格保証をしている留学エージェントです。

学生ビザに関するご質問のみについては、弊社に学校手配をお申込みいただいたお客様以外、ご案内をいたしておりませんこと、あらかじめご承知ください。

渡航後に、書類を揃えて手続きを行えば良いアイルランドへの長期留学にご興味をお持ちいただいている、またはワーホリビザとどちらにすれば良いか悩んでいるなら、ぜひお気軽にアイルランド留学シャムロックまでお問合せください。

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