アイルランドで話されている英語の特徴と訛りについて

訛りが強いって本当?アイリッシュイングリッシュについて

海外留学を検討していると、現地で話される英語の特徴や訛りは気になるポイントです。

アイルランドでは英語とゲール語の2つが公用語とされており、こうした歴史的背景が日常で話される英語にも独自の影響を与えています。

実は、アイルランド英語には発音や文法、語彙に他の英語圏とは異なる特徴があり、初めて聞くと戸惑う人も少なくありません。

このページでは、アイルランドの言語事情を歴史から紐解き、具体的な英語の特徴や訛りについて詳しく解説します。

アイルランドならではの英語の特徴を知ることで、留学生活中に見聞きする英語がより楽しいものになります。

アイルランドの歴史と公用語

公用語が2つあるその歴史的な背景

アイルランドには英語とゲール語、2つの公用語があります。この言語体制は、アイルランドの複雑な歴史的背景に深く根ざしています。

もともとアイルランドではゲール語が広く話されていましたが、12世紀にイングランドの侵攻が始まり、17世紀以降にはイギリスによる支配が強化され、英語の使用が拡大しました。特に19世紀のジャガイモ飢饉では、多くのゲール語話者が亡くなり、経済的理由から英語を使う方が有利とされ、急速に英語への言語交替が進みました。

しかし、1922年の独立後、民族的アイデンティティを回復しようという動きの中でゲール語の復興が進められました。1937年に制定されたアイルランド憲法では、ゲール語を第1公用語、英語を第2公用語と定めています。

現在でもゲール語は教育や公共の標識で使われていますが、日常的に話す人は少なく、主に西部のゲールタハト(Gaeltacht)地域に限られます。

このように、アイルランドの英語とゲール語、2つの公用語体制は、植民地支配による英語の拡大と、独立後の文化的自立を目指したゲール語の復興という、相反する歴史的要素の両立の結果と言えます。

複雑な歴史から英語とゲール語の2つが公用語になった国

アイルランドでは、英語とゲール語の2つが公用語として定められていますが、日常生活では主に英語が使われています。一方、ゲール語はゲールタハトと呼ばれる特定地域で現在も話されており、アイルランドの文化的象徴として重要な役割を果たしています。

実際に、アイルランド人の約4割が「ゲール語を話せる」と答えているという調査結果があります。

とはいえ、家庭や職場などでゲール語を日常的に使用されることは少なく、限定的です。

しかし、道路標識や公共交通の案内表示などでは英語とゲール語が併記されており、アイルランド留学中に目にする機会は多いです。

アイルランド政府は、ゲール語の保護と普及を目的に、以下のような施策を行っています。

アイルランドのゲール語普及に関する施策
  • 小学校でのゲール語の必修化
  • 2030年までにバイリンガル人口の増加を目指す国家戦略
  • ゲールタハト地域の住民に対する税制優遇措置や各種支援

こうした取り組みは、ゲール語を単なる「過去に使用されていた言語」に留めるのではなく、現代にも生きる文化として位置づけるものです。

アイルランドは、複雑な歴史を経た上で、言語を通じたアイデンティティの再構築を図っています。

アイルランドの英語の特徴と気になる訛りについて

同じ英語でも違いがある?

アイルランド英語には、他の英語圏で話されている英語とは異なるユニークな魅力があります。

アイルランド留学について調べると出てくる訛りを含め、発音や表現の違いなど、アイルランド英語ならではの特徴について解説します。

発音や文法、語彙に違いはある?

アイルランドで話されている英語は、他の英語圏と比較すると、何か違いがあるのでしょうか?

発音から見ていくと、英語の自分を表わす「I」は通常、「アイ」と発音しますが、アイルランドだと「オイ」に近い音になります。また、「u」の音を「ウ」と発音するため、Bus(バス)は「ブス」という音に聞こえます。

さらに「th」の音は「t」や「d」に近く、「three」だと「トリー」に近いです。その他にも「r」の音をはっきりと発音する点でイギリス英語とは違った音になります。

文法面を見てみると、Do you speak English?という肯定(Yes,I do.)または否定(No,I don’t.)で回答する質問に対し、アイルランド人はYesまたはNoを入れず、動詞部分、I doまたはI don’tという回答を返します。

これは質問をすると返答を動詞で返すゲール語の影響を受けているものと考えられています。

また、Youについては単数と複数で使いわけ、複数(あなたたち)についてはYousまたはYeと表現します。これもルーツはゲール語です。

さらに他の英語圏のちょっとしたスラングとしてbe動詞の否定系に「ain’t」という表現がありますが、アイルランド英語だと一人称単数の否定の場合に「amn’t」というワードを使います。

語彙は英語圏の国々でも違いがあるように、アイルランド英語にも独特のものがあり、お手洗いは「loo」、ソフトドリンクは「minerals」となります。

アイルランド独特の訛りがあるって本当?

留学エージェントをしていると、アメリカやイギリスを除いて「訛りってありますか?」という質問を受ける機会が多いです。

他の国に漏れず、アイルランド英語にも独特の訛りがあり、よく言われるのが「抑揚が無い」ことと「やや早口」であることです。

また、先に挙げたような母音と子音の発音の違いもあるため、日本の学校でアメリカ英語を聞き慣れていると、何を言っているか理解するのにちょっと時間がかかります。

ただし!語学学校の英語レッスンにこうした訛りはなく、正しい英語を勉強できるのでご安心ください!

英語力が身に付けば、アイルランド訛りを聞いていても楽しく、留学生かつをより満喫できるようになります。

アイルランド留学で英語を学ぶならアイルランド留学シャムロックにご相談ください

アイルランドの公用語、英語とゲール語に関する紹介と、他の英語圏で話されている英語との違いについて解説しました。

アイルランドでは通常、英語が主に話されています。独自の言語であるゲール語についてはアイルランド政府が保護、普及に注力しており、2030円を目標に英語とゲール語のバイリンガルを増やす努力を続けています。

アイルランド英語は、そのゲール語の影響を受けている部分もあり、独特な発音をする単語もあります。

アイルランド留学中はそうした他の英語との違いを楽しみつつ、何か良いことがあれば「lovely」という単語を積極的に使ってみましょう。これもまた、アイルランド独特な表現です。

ちなみに語学学校で提供される英語は標準英語なので、訛りを心配する必要はありません。

アイルランドに興味をお持ちいただき、留学を検討していただいているのであればぜひ一度、アイルランド留学シャムロックへお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

アイルランド留学シャムロック編集部
アイルランド留学シャムロック編集部
雄大な自然や歴史的な建造物が残るアイルランドに魅了されたスタッフがその素晴らしさを紹介するため運営しているアイルランド留学シャムロック。より多くの人にアイルランド留学をしてもらうため、留学業界10年以上のエキスパートがアイルランドの最新情報をお届けしています。語学留学だけでなく、大学進学や高校留学まで最適なアイルランド留学を提案いたします。
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