
日本の高校を卒業した後、海外の大学へ進学を希望する方が増えています。
アイルランドにも、世界屈指の名門大学があり、多くの留学生が学位取得を目指し、日々、勉学に励んでいます。
このページでは、日本からアイルランドの大学へ進学する方法や人気の高等教育機関を紹介します。
アイルランドでは、高校卒業後にカレッジや大学などの高等教育機関へ進学する人が多く、各学校の教育は非常に高いです。
日本とは教育制度が異なるアイルランドの大学に入学するには、何から準備を始めれば良いのでしょうか。
入学に求められる英語力や世界大学ランキングでの順位などと一緒に、おすすめの学校を紹介します。
海外進学を目指す方に、このページでアイルランドにある大学の魅力をお伝えし、選択肢の1つに選んでいただければ幸いです。
アイルランドの大学に関する基本情報
アイルランドには、合計8校の国立総合大学の他、工科大学や単価大学(カレッジ)がダブリンをはじめ、複数の都市に存在します。
国内トップレベルの大学には、世界大学ランキングトップ100に入るトリニティカレッジダブリン(Trinity College Dublin)をはじめ、同じダブリンにあるユニバーシティカレッジダブリン(University College Dublin、UCD)や南西部にあるユニバーシティカレッジコーク(University College Cork、UCC)、西部のゴールウェイ大学(University of Galway)が挙げられます。
これらの大学やカレッジで提供されるプログラムは、国家資格フレームワーク(National Framework of Qualifications、NFQ)によってレベル分けされています。

引用元:https://www.qqi.ie/what-we-do/the-qualifications-system/national-framework-of-qualifications
- レベル1から5:小学校から高校までの卒業資格
- レベル6:サティフィケート(学位ではないものの、修了証を得られる)、工科大学やカレッジで受講可能
- レベル7:一般学士号(Ordinary Bachelor、大学卒業資格)、工科大学とカレッジ、大学で受講可能
- レベル8:優等学士号(Honours Bachelor、一般学士号より多くのことを学ぶため専攻に関する知識量が増える)、大学で受講可能
- レベル9:ポストグラデュエートディプロマ、修士号、大学院で受講可能(一般学士号からの出願は不可、Higher Diplomaに参加・修了するか優等学士号課程に編入する必要がある)
- レべル10:博士号、大学院で受講可能
それぞれのプログラムを受講するには、指定されたレベルの単位を取得している必要があります。
いわゆる大学卒業資格はレベル7の一般学士号であり、在学中に必要な科目で180ECTSを取得すると、授与されます。1ECTSは25時間から30時間程度の勉強が必要で、日本の大学の1単位は1.5から2ETCSに換算されます。
日本では見慣れない一般学士号と優等学士号の違いについてですが、一般学士号は「まだ本格的に何について学ぶかを決めていない」人向け、一方で優等学士号は「学びたい内容が明確に決まっている」人向けとなります。
また、大学卒業後はPost Study Work Permitとして、レベル7(一般学士)なら最長6ヶ月、レベル8(優等学士)であれば12カ月、レベル9および10であれば12か月+延長12か月の合計24ヶ月間、フルタイムでの就労許可を申請できます。
学んだ内容に沿った業務に従事し、結果を出すことができれば、アイルランドだけでなくヨーロッパやその他の国で就労できるチャンスにつながります。
アイルランドの大学には付属語学学校もあります

アイルランドに限らず、日本人が海外大学進学を目指す際、大きな壁になるのが語学力です。
教育の質が高い分、アイルランドの大学で講義を受けるにはハイレベルな英語力が求められます。
アイルランドの大学進学で人気のダブリンシティユニバーシティ(Dublin City University,DCU)に入学を希望する場合に求められる英語力を確認してみます。
学士号コースへの参加を希望する場合、IELTSであれば6.5以上(どの科目も6.0以上であること)、TOEFLiBTの場合は92以上のスコアが求められます。
いずれも2年以内に取得したものであることが条件ですが、これらは日本の英検1級以上の難易度です。
他の国でも、ハイレベルなアカデミック英語力を求められるため、諦めてしまう方がいらっしゃいます。しかし、学校側も留学生が最初からこれらの英語力を有しているとは判断しておらず、それぞれ付属語学学校または英語コースを提供しています。
ダブリンシティユニバーシティでは、進学を目指す学生だけでなく、短期2週間から参加できる一般英語コースやジュニアプログラムも提供。夏休みや春休みアイルランド短期留学にもおすすめのコースとなっています。
「英語力には自信がないけど、アイルランドで勉強してみたい!」という熱意をお持ちであれば、ぜひ一度、お問合せください。
アイルランドの大学へ日本の高校卒業後に進学するには

自分の学びたい学科を選び、大学で専門的な知識を身に着けるのは日本と同じですが、アイルランドと日本の高校にはカリキュラムの違いがあります。
アイルランドでは、高校入学後、1年間のトランジションイヤー(Transition Year)と呼ばれる期間中に自分が学びたいことを決めるため、さまざまな科目を履修します。その後、大学進学に必要な科目を選択し、卒業資格となるLeaving Certificateを受験し、その成績内容によって進学できる大学が決まります。
この課程により、アイルランドの高校で学んだ学生は、大学で専攻する科目に関する基礎知識を身に着けています。
一方、日本の高校では一般教養を学び、専攻に関する基礎教養は大学入学に学ぶため、専門知識に差異が発生します。この問題を解決するために用意されているのがファウンデーションプログラムです。
ファウンデーションプログラムでは、アイルランドの大学で講義を受講するために必要な英語力や専攻したい科目の専門知識を身に着けます。無事にプログラムを修了すれば、アイルランドの各大学に入学し、学位取得を目指すことができます。
ただし、ファウンデーションプログラムに参加するには、アカデミックな英語力やプログラムごとに求められる成績平均点(Grade Point Average,GPA)が必要です。詳しくは以下のページにてご確認ください。
アイルランドの大学で日本の大学生が勉強するには

日本の大学に進学した後、海外留学に興味を持ち、アイルランドの大学で勉強してみたいと考えたら、以下のいずれかの選択肢を選ぶことになります。
- 通っている大学の姉妹校で交換留学をする
- 夏休みや春休みに各大学の英語プログラムに参加する
- 休学をして現地大学で単位履修プログラムに参加する(認定留学になる可能性もあります)
- アイルランドの大学に出願し、すでに取得した単位を認めてもらい、学位取得(卒業)を目指す
- 大学卒業後にポストグラデュエートプログラムや大学院への進学を目指す
大学生の海外留学として最も知られている方法は、通っている大学と姉妹提携をしている学校への交換留学でしょう。ただ、一般的に交換留学への申込、参加には高い成績平均点や英語力が必須となっており、参加者が限られます。
一番多いのは、夏休みや春休みの短期留学で、アイルランドの大学が提供している英語プログラムへの参加です。グループで英語レッスンを受講するのは、語学学校と同じスタイルですが、内容の多くが会話よりも文法やボキャブラリーなどの読み書きが中心になります。
通っている大学を休学し、アイルランドの大学で単位履修を受ける場合は、希望する学校に自分が先行している内容に即したプログラムがあるかを確認し、参加に必要な単位や成績、語学力をチェックする必要があります。休学留学で大学の単位を履修できれば、帰国後、通っている大学にその単位を認定してもらえる可能性が高いです。
年に数度、大学生の方から「通っている大学で取得した単位を活かして、海外の大学卒業資格を取得したい」という問い合わせを受けます。
アイルランドの場合、日本の大学1年生であれば、ファウンデーションプログラムを受けずに入学できる可能性があるものの、単位が全て認められるとは限りません。また、日本の大学は入学後、積極的に講義をうけなくても卒業することはできますが、海外の大学で卒業資格を得ることは容易ではありません。
そのため、日本の大学を卒業した後、ポストグラデュエートプログラムや大学院での修士課程への進学をおすすめしています。
アイルランドのカレッジや大学を紹介します
それでは、アイルランドにあるカレッジや大学を紹介します。
Trinity College Dublin(アイルランド国立大学ダブリン校)
Trinity College Dublin(アイルランド国立大学ダブリン校)は、ダブリン中心部にキャンパスを構えるアイルランドのトップ大学です。
Dublin City University(DCU)
Dublin City University(DCU)は、アイルランドの中でも比較的若い大学ながら卒業生の就職率が高い学校です。
Univeristy College Dublin(UCD)
Univeristy College Dublin(UCD)は、幅広い分野のプログラムを提供しており、キャンパスには最新設備も整っています。
Technological University Dublin(ダブリン工科大学)
Technological University Dublin(ダブリン工科大学、TUD)は、3つの技術学院が合併し、2019年に国立大学として認可された学校です。
Maynooth University(アイルランド国立大学メイヌース校)
Maynooth University(アイルランド国立大学メイヌース校)は元々、神学を学ぶための学校として設立され、1997年にアイルランド国立大学のキャンパスの1つとなりました。
University College Cork(ユニバーシティカレッジコーク、アイルランド国立大学コーク校)
University College Cork(アイルランド国立大学コーク校、UCC)は、アイルランドで2番目に大きな都市であるコークにあり、世界中にある大学の中でもトップ2%に含まれるハイレベルな大学です。
University of Galway(ゴールウェイ大学)
アイルランドで3番目に大きな都市であるUniversity of Galway(ゴールウェイ大学)は、「持続可能な開発」についてアイルランド国内トップの大学であり、かつてはアイルランド国立大学ゴールウェイ校として知られていました。
University of Limerick(アイルランド国立大学リムリック校)
アイルランドで4番目に大きな都市であるリムリック。University of Limerick(アイルランド国立大学リムリック校)は、ビジネスや産業界とつながりが強く、ヨーロッパの中でもCooperative Education(Co-op)プログラムが高い評価を受けています。
アイルランドの大学へ進学する場合に必要な費用

アイルランドにある大学へ進学する場合、どのくらいの費用が必要となるのでしょうか。
大学によって費用には違いがあるため、例としてアイルランドの大学進学で人気の高い、ダブリンシティユニバーシティの費用を紹介します。
アイルランドの大学に進学する場合の費用(ダブリンシティユニバーシティ1年間)
学費 | EUR 16,500 |
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生活費(3学期) | EUR 16,656 |
合計 | EUR 33,156 |
日本円 | ¥5,432,000 |
上記のお見積りは、2025年3月時点の最新学校費用を海外送金レート(T.T.S)にて算出、比較しやすいように100円以下の金額を四捨五入しています。
上記の費用以外に、アイルランド・ダブリン空港までの往復国際航空券、および海外旅行(留学)傷害保険への加入が必要です。これらは、ご利用時期および期間によりそれぞれ金額が異なります。
ご希望の大学および専攻をお知らせいただければ、1年間に必要となる留学費用をご案内いたします。
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