
日本の高校を卒業した後、海外の大学に進学するには優秀な成績と高い英語力が必要です。
それだけでなく、アイルランドを含む一部の国ではファウンデーションプログラムへの参加が求められます。
このページでは、聞き慣れないファウンデーションプログラムとは何か、なぜ参加が必要なのかについて解説します。
ファウンデーションにはいくつか種類があり、進学を希望する大学や専攻によって参加するプログラムが異なります。
気になる参加要件や実際に参加する場合に必要となる費用がどのくらい必要になるのかも紹介します。
アイルランドを含む海外大学進学を検討している方へ、このページでファウンデーションとは何かを把握しておきましょう。
海外大学進学に求められるファウンデーションプログラムとは?

ファウンデーションプログラムとは、日本の高校を卒業した後に、アイルランドやイギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどの大学に進学するための準備コースです。
これらの国の大学は、日本での高校を含む12年間の教育だけでは直接入学の要件を満たすことができないため、ファウンデーションプログラムに参加します。
ファウンデーションプログラムでは、希望する学部に関連する基礎科目や海外の大学で講義を受講するコツやアカデミックな英語力を身に付けます。
必要な成績を満たし、無事にプログラムを修了できれば、希望する大学への進学が可能になります。
なぜファウンデーションプログラムは必要なのか?

海外大学進学でも、アメリカやカナダであれば、ファウンデーションプログラムへの参加は必要ありません。ではなぜ、ファウンデーションへの参加が必要となる大学は、なぜ日本の高校までの教育で入学要件を満たすことができないのでしょうか。
その理由を、日本とイギリスの教育制度の違いから解説していきます。
日本とイギリスやアイルランドの教育制度の違い
日本の高校では、3年間にわたり文系と理系に分かれるものの、幅広い一般教養を学びます。決められたカリキュラムに沿って授業を受け、卒業資格を取得した上で、希望する大学の受験に挑みます。
一方、イギリスでは、12歳から16歳までのセカンダリースクールでGCSE(国家試験)に向けて学習し、合格すると6th Form(17~18歳対象)に進学できます。この2年間で希望する科目を選択し、最終的にGCE-Aレベルの試験を受け、その成績が大学の合否に影響します。
6th Formの内容には、日本の大学1~2年次の基礎教養が含まれているため、修了した生徒はすでにその知識を身につけています。この教育の違いによるギャップを埋めるため、日本の高校を卒業した生徒はファウンデーションプログラムへの参加が求められます。
アイルランドの高校でも、1年次は「トランジションイヤー」として自分の学びたい分野を探し、2・3年次には専攻科目を決めてLeaving Certificate(卒業試験)を受けます。この試験もGCE-Aレベルと同様に大学での基礎教養を含んでいるため、日本の高校卒業生がアイルランドの大学に進学するには、ファウンデーションプログラムを受講する必要があります。
ファウンデーションプログラムの種類

ファウンデーションプログラムとは何か、その必要性をお伝えしたところで、次に種類について解説します。
大学が直接実施しているものと専門学校が提供しているものがある
アイルランドにある大学の中には、直接ファウンデーションプログラムを実施している学校と、専門学校が提供しているファウンデーションプログラムから進学を目指す学校があります。
アイルランド国立大学ダブリン校、トリニティカレッジを例に挙げると、ファウンデーションプログラムを実施しています。一方、同じアイルランド国立大学でも、ゴールウェイ校(現在はゴールウェイ大学)やコーク校(ユニバーシティカレッジコーク)ではファウンデーションプログラムを実施していないため、提携しているファウンデーションプログラムの専門学校に通う必要があります。
そのため、日本の高校を卒業した後、アイルランドで通いたい大学を調べる際はファウンデーションプログラムを直接実施しているか、外部の専門学校に通うことになるか確認することが重要です。
希望する専攻ごとに参加するファウンデーションプログラムは異なる
海外への大学進学を目指す場合、大学選びも大切ですが、何を学ぶか、専攻を決めることも非常に重要です。
ファウンデーションプログラムは、例えばビジネスやコンピューターなどの希望するコースによってプログラム内容が変わります。
どのようなカリキュラムで何を勉強することになるのか、また選択したファウンデーションプログラムからどのような科目であれば専攻できるのか、あらかじめ確認しておきましょう。
ファウンデーションを受け付けない大学・専攻もある
アイルランドをはじめ、大学へ進学するのにファウンデーションプログラムが必要な国では、場合によってファウンデーションプログラムを受け付けない学校や専攻もあります。
世界的な人気の高い大学や現地生のニーズが高いプログラムだとファウンデーションプログラムからの出願が出来ない可能性が高いです。
そうした世界的なニーズの高い大学やプログラムに参加し、学位を取得したい場合はアイルランドやその他の国への高校留学からスタートする、または日本国内の高校でも国際バカロレア(International Baccalauréat、IB)に参加できる学校を選び、良い成績で修了して直接、出願する方法があります。
または、日本の大学で学び、その後に目標とするアイルランドの大学に進み、大学院で学ぶといった方法もあります。
ファウンデーションプログラムへの参加要件

アイルランドの大学で学びたい。そのためにファウンデーションへ出願するには何が必要なのか、参加要件について解説します。
基本的にアカデミックな英語力が必要
海外の大学に出願する際に重要なのがアカデミックな英語力です。
日本の高校で学ぶ英語は、海外のカレッジや大学で学ぶために十分なものとは言えません。高校卒業程度の英語力として英検2級がありますが、取得できたとしてもやはり海外の高等教育機関で学ぶにはまだ不足しています。
ファウンデーションプログラムには、英語プログラムも含まれていますが、専攻科目の基礎教養を学ぶためのプログラムであるため、参加するにはアカデミックな英語力が求められます。
具体的にはIELTSやケンブリッジ英検などが挙げられます。これらの試験問題は、動画サイトなどでも練習問題を見ることができるので閲覧してみると良いでしょう。
アカデミックな英語力の証明として、その他にTOEFLiBTというテストもありますが、アイルランドやイギリスの大学の場合、受け付けていない学校もあるので、IELTSの準備を進めることをおすすめします。
なお、ファウンデーションプログラムに参加する際に求められるIELTSスコアですが、学校やプログラムによって差があるものの、最低でも5.0以上(どの科目も4.5以上であること)は必要です。
プログラムごとに求められるGPAも異なる
ファウンデーションプログラムは、無事に終了できれば希望する大学への入学が可能になります。
言い換えると、ファウンデーション出願時点で入学審査を受けることになるため、最終学歴の成績平均点(Grade Point Average、GPA)も要件をクリアしておく必要があります。
こちらも大学やプログラムによって異なりますが、5段階評価であれば最低でも3.5以上、できれば4.0以上は取得できるよう高校在学中の勉学に励むようにしておきましょう。
名門大学や医学部などになると、最高評価に加え、高校在学中の生徒会やボランティア活動への積極的な参加などもアピールポイントとして必要になります。
ファウンデーションプログラムへの参加費用

最後に、ファウンデーションプログラムに参加する場合、どのくらいの留学費用が必要になるのか、具体的な金額を紹介します。
Dublin International Foundation Collegeでファウンデーションに参加する場合の費用
アイルランドにある複数の大学と提携し、ファウンデーションプログラムを提供している専門学校、Dublin International Foundation College(DIFC)に参加する場合の費用を以下、ご案内します。
学費 | EUR 17,440 |
---|---|
生活費 | EUR 18,900 |
合計 | EUR 36,340 |
日本円 | ¥5,956,000 |
上記金額は、2025年4月時点の最新学校費用を海外送金レート(T.T.S)にて算出、比較しやすいように100円以下の金額を四捨五入しています。
上記の費用以外に、アイルランド・ダブリン空港までの往復国際航空券、および海外旅行(留学)傷害保険への加入が必要です。これらは、ご利用時期および期間によりそれぞれ金額が異なります。
いずれも、お問い合わせいただきましたら、便利でリーズナブルなものを紹介させていただきます。
アイルランドの大学に進学するためのファウンデーションコース選びはお任せください
日本の高校を卒業し、アイルランドの大学に進学するために必要なファウンデーションプログラムについて解説しました。
希望する大学、または学びたい専攻などで迷っていらっしゃるのであれば、アイルランド留学シャムロックにお気軽にご相談ください。
海外大学進学に詳しいスタッフが、ご希望に沿ったプログラムを提案させていただきます。
アイルランドを含む、海外大学進学に関するご質問やご相談は、以下のボタンよりご連絡くださいませ。